PROJECT2デジタルアセットビジネス
金融の力をブロックチェーン技術で拡大する。
デジタルアセットを核とする新たな事業を推進しています。
デジタルアセットビジネスは、ブロックチェーンなどの技術を活用したプラットフォームで、デジタル通貨、デジタル証券、暗号資産、NFT等の取引を行うものです。ブロックチェーンにより、取引のコストを抑えることにより、これまで流動性のなかった資産のための市場づくりに貢献するなど、将来的には非常に大きな可能性を秘めたビジネスといえます。Trust Baseでは、三井住友信託銀行が培ってきた管理ノウハウや専門性が生かせる不動産や金銭債権等のデジタル化(セキュリティ・トークン)を通じて、新たな事業を創出するプロジェクトを推進しています。
市場環境と課題
デジタルアセットはブロックチェーン上で発行・取引・決済が行われるため、取引にかかる中間コストが抑えられるだけでなく、ブロックチェーン技術を活用することでクーポンやポイント等の非金銭リターンの付与も可能になります。こうしたメリットと、コロナ禍という状況での経済活動のデジタル化があいまって、デジタルアセット市場はいま急速に成長しつつあります。しかし、その一方で抱えている課題が多いのも事実です。たとえば、市場の変化に対して、法規制が十分に対応できていないことが挙げられます。グローバルな規制環境が不透明なままでは、一般的な金融機関や投資家の関心をつかむことはできません。また、デジタルアセットを安全に管理・保管・運用するためには、最新のデジタル技術を駆使して、ビジネスのスキームに合ったインフラの整備も必要になってきます。こうした課題を明確にすることが、事業化に向けての最初のステップとなります。
Trust Baseとしての取り組み
三井住友信託銀行では、2021年にデジタル証券のプラットフォームを開発する会社と共同で、国内初となる証券化商品を裏付けとするセキュリティ・トークンを発行する実証実験を行なっています。本スキームは受益証券を不発行とした上でトークン化することで、権利移転時に、券面の交付を要さず、ブロックチェーン上の記録と受益証券発行信託の受益権原簿が書き換わることで投資家の権利移転が行うことができます。
また、ESG・SDGs等の社会的なテーマと投資家をつなぐ方法の一つとしてセキュリティ・トークンの活用を検討しています。
こうしたブロックチェーン技術を活用したデジタルアセットビジネスを今後さらに加速するとともに、さらなる利便性を高めていくには、既存の金融システムを根本から考え直す必要性が出てくるかもしれません。Trust Baseはあらゆる可能性を念頭に置きながら、その可能性を追求してきます。
その先の魅力
たとえば、不動産取引においてセキュリティ・トークンが普及すれば、権利の小口化によって、投資資金の限られる若い投資家を集めやすくなり、不動産投資を活発化させることができると考えています。また、セキュリティ・トークンに関わる証券取引規制や投資家の購入方法などがグローバルに統一されることで、透明性の高い資金調達が世界の各地域で行えるようになっていくでしょう。さらに新たな市場の創造も期待されています。従来の金融資産とはリスク・リータンの特性が異なるデジタルアセットや芸術などをセキュリティ・トークンとして流動化できれば、ベンチャー企業の取り組みやアーティストの活動に資金が循環できるようになります。気候変動への対応などで注目されるESG投資の分野でもセキュリティ・トークンは活用されていくでしょう。デジタルアセットビジネスは、金融の力を経済全体の活性化につなげていく可能性を持っており、Trust Baseはこれからも幅広い視野でビジネス化に取り組んでいきます。